女性なら知っておきたい、乳がんのこと

女性なら知っておきたい、乳がんのこと

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増える罹患率…乳がんは“他人事”じゃない

日本女性の11人に1人が罹っているとされる「乳がん」。罹患率・死亡率ともに年々増加傾向にあり、20・30代で乳がんと診断される人も少なくありません。女性にとって身近になってしまった乳がんですが、必要以上に怖がらず、まずはきちんと知ることが大切です。今回は、乳がんについての基礎知識やセルフチェックの仕方について、産婦人科医の清水なほみ先生に伺いました。

乳がんとは、乳房にできる悪性の腫瘍(がん)のこと。乳房は、母乳を作る乳腺と、母乳を乳頭まで運ぶ乳管、そしてそれらを支える脂肪などで構成されています。乳腺は腺葉と呼ばれる15~20個の組織の集まりからなり、腺葉は乳管と多数の小葉(母乳が作られるところ)でできています。乳がんの多くは、乳管から発生する「乳管がん」。また、小葉から発生する「小葉がん」もあります。

「がんの種類や個人のリスク(遺伝など)によって、進行スピードは様々。1年前の検診で何も異常がなかったにもかかわらず、自覚症状が出て検査を受けたら、かなり進行していたというケースもあります。でも、これは稀なこと。基本的には、毎年検診を受けていれば、いきなり進行がんが見つかることは滅多にないはずです」(清水先生)。

また、乳がんは遺伝的リスクが指摘されているがんでもあります。

「乳がんのリスクとなる遺伝子が、いくつかあることはわかっています。また、乳がん卵巣がん症候群の原因遺伝子も特定されており、それらの遺伝子を持っていることが遺伝的リスクになることは指摘されています」。

親族に乳がんや卵巣がんの既往歴のある人がいる場合は、より注意しておきたいところ。

大切なのは、初期の段階で乳がんを見つけること。それには、定期的な検診と、セルフチェックが重要です。

検診とセルフチェックでの早期発見がカギ!

乳がんを患う日本人女性は年々増えていますが、早い段階でがんを見つけ、適切な治療を行えば、良好な経過が期待できるがんでもあります。

「遺伝的リスクがある場合は、リスクに応じて検診を受けましょう。とくにリスクがない場合でも、40歳以上の人は2年に1回は検診を受けること。また、どの年代も、月に1回は自分で乳房を触ってチェックすることを習慣にしてください」。

■セルフチェックの仕方
月に1回、月経直後の最も胸が張っていない時期に行いましょう。

鏡の前で、乳房に変化がないか、皮膚の引き連れや発赤(ほっせき。充血して赤く見えるう状態)、変色がないかをチェック。両腕の力を抜いて下ろした状態と、両腕を上げた状態で確認しましょう。

仰向けになり、低めのまくらや折ったタオルを背中の下に入れます。片腕を上げ、腕を上げた方の乳房を、逆側の手でまんべんなくチェック。指を揃えて伸ばした手を滑らせるようにして。

体を起こし、乳首をつまんで、血液の混じった分泌物が出てこないか確認。また、腕を下ろした状態で、逆側の手でわきの下を触り、しこりがないかチェックしましょう。

セルフチェックで、しこりや分泌物などの異変を感じたら、直ちに乳腺外科を受診してください。

■乳がん検診の種類
乳がん検診には、医師による視触診のほかに、マンモグラフィーと超音波検査があります。それぞれの特徴に合わせて、どちらの検診方法にするか選びましょう。

「検査の基本はマンモグラフィーですが、若い方や高濃度乳腺の場合は、病変の早期発見が難しいことがあるので、超音波検査の方が適している場合があります。視触診のみの検診は意味がないので、必ずマンモグラフィー検査、高濃度乳腺の場合は超音波検査による検診を受ける必要があります」。

・マンモグラフィー
基本の検診はこちら。乳房専用のX線撮影のこと。触診ではわからない小さなしこりや、しこりになる前の石灰化した微細な乳がんが見つけられる。
年齢が若い人や高濃度乳腺の場合、乳腺が密なためX線写真がかすみ、しこりの発見が困難になる場合がある。X線のため、妊娠中の人はNG。

・超音波検査(エコー検査)
乳房に超音波を当てることで、組織からの反射をとらえて画像にする検査方法。わずかな濃度の違いから病巣を診断する。
小さなしこりや石灰化を見つけるのは難しいものの、しこりの内部構造の鑑別しやすく、乳腺が密な若い人にも使用できる。

■検査で異常が見つかったら
セルフチェックと検診により、しこりが見つかったり明らかに異常な症状があったりした場合は、乳腺外科で検査を受けましょう。検査では主に、超音波検査・マンモグラフィー・CT・MRIなどの画像診断を行います。しこりが悪性かどうかはっきりしない場合は、しこり部分に針を刺して細胞をとって検査する「穿刺吸引細胞診」や「針生検」を行います。


20代での発症も増加傾向にある乳がん。早期発見のためにも、月に1回のセルフチェックを行うことを心がけて。気になることがあれば、すぐにクリニックを受診しましょう。

監修/ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長 清水なほみ先生
日本産婦人科学会専門医。女性医療ネットワーク発起人・NPO法人ティーンズサポート理事長。日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー。

イラスト/きくちりえ

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